https://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20230718-OYTNT50027/

来夏、龍馬ワールド 専門家らシンポ

 

陸奥について意見を交わしたパネル討論(和歌山市で)   

陸奥について意見を交わしたパネル討論(和歌山市で)

 

 和歌山市出身の元外務大臣で、治外法権を認めた諸外国との不平等条約改正に成功した陸奥宗光(1844~97年)の功績を振りかえるシンポジウムが16日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛であった。歴史ファンら約100人が参加、専門家らの解説に聞き入った。

 幕末の志士・坂本龍馬のファンが交流する「龍馬ワールド」が来夏、県内で初開催されるのを前に、龍馬と宗光を顕彰する「紀州 宗光龍馬会」(臼井康浩会長)が企画。来年は条約改正130年の節目でもあり、宗光の思想を再考し、イベントのPR方法も探った。

 基調講演には元外交官や近代史の専門家が登壇。不平等条約改正までの歩みや、岡崎邦輔(1854~1936年)ら宗光を支えた県出身の偉人を紹介した。

 来夏に向けた取り組みを考えるパネル討論では「鋭い観察眼で外国との力関係を分析した宗光の姿勢は、ロシアのウクライナ侵攻で揺れる国際情勢を乗り切る手がかりになる」「小中学校で習うけれど、存在感は薄い宗光の知名度を全国に広げるチャンスだ」などの意見が交わされた。臼井会長は「先人に思いをはせ、心が一つになれる時間を一緒に作っていきましょう」と呼びかけた。